レッジョ教育を広める会@キオッチョラ@ レッジョ教育について

ゆめこらぼ通信での取材をきっかけに、イタリア・レッジョエミリア市で4年滞在し、レッジョ教育の理解のための研修や子どもワークショップを行っている石井希代子氏より、レッジョ教育とは何か?という説明を頂きました。ここに転載させていただきます。

 

団体情報はコチラ

レッジョ・エミリア教育は、北イタリアの小都市レッジョ・エミリア市の市民によって生み出された教育です。1945年第二次世界大戦後、ドイツ軍の残した戦車やトラックなどの鉄くずを売った資金でレンガを焼き、手造りで自分たちの子どものために今までと違った学校を作ろうと立ち上がり一つの学校を作りました。その事が市の復興にもつながって行きました。

 

この教育はスイスのルソー研究所で発達心理学を学んだローリス・マラグッツィ(1920〜1994)氏と教育現場の人たちによって、子どもの事実から実践を通して創り上げられました。その教育法は哲学や心理学がベースとなっていて、子どもの心が動くような環境を用意するアプローチであり、誰かが考えたメソッドではありません。そのため、モンテッソーリやシュタイナーなどの人の名前ではなく、レッジョ・エミリアという地域の名前がついています。

 

マラグッツィは「子どもたちの100の言葉」という教育理念を象徴する詩を残しています。その内容は「子どもたちは100通り以上の表現方法を持って生まれているが、学校教育はその99を奪っている」と言うもの。1963年には市立の乳幼児施設でレッジョ・エミリア・アプローチとして取り入れられました。

 

教育の特徴としては、子どもが主体的に探究したい事を考え、4〜5人のグループによって考えを深めていくプロジェクト型の活動で展開されます。同じテーマでも子どもや先生によって展開が違うため、変化や進化を続けるという点に特徴があります。

 

教育の始まりも市民の力によって起こり、常に市民が子どもたちの育ちを見守りサポートに参画する町ぐるみの教育である事で、子どもたちの心にも小さな市民としての意識が育まれていくことにつながっていくのです。